「うちのホームページ、そろそろ作り直した方がいいのだろうか」——開設から5年、10年と経った介護施設の管理者さまから、こうしたご相談を受けることが増えています。ただ、いざ検討を始めると、全面リニューアルすべきなのか、一部を直せば済むのか、それとも今のままでよいのか、判断に迷う方が少なくありません。この記事では、介護施設のホームページを作り直すかどうかを判断する基準と、進める際に社内で決めておくべきことを整理します。
リニューアルすべきかの判断基準|7つのチェックリスト
まず、今のホームページの状態を客観的に確認するところから始めます。件数だけで機械的に判断するのではなく、次のうち掲載情報の誤り・セキュリティ・自分たちで更新できない・スマホで表示が崩れる、といった影響の大きい項目に当てはまる場合は、全面的なリニューアルを検討する価値が高いといえます(あくまで目安です)。
- スマートフォンで見ると文字や写真が崩れる、拡大しないと読めない
- 職員体制・サービス内容・料金など、事実と異なる古い情報が残っている
- 採用ページがない、または3年以上前の求人情報のままになっている
- 自施設で更新できず、直したい箇所があっても誰にも触れない状態が続いている
- デザインの古さから、他施設と比較されたときに見劣りすると感じる
- 運営法人が変わった、サービス種別が増えたなど、施設の実態が変わった
- そもそも制作会社と連絡が取れない、保守契約が切れている
このうち特に重視したいのは、情報の正確性と更新のしやすさの2点です。デザインが多少古くても、情報が正確で問い合わせ導線さえ機能していれば、致命的な問題にはなりにくいものです。一方で、事実と異なる情報が残っている、あるいは誰も更新できない状態は、見た目以上に優先度の高い課題といえます。
部分改修で足りるケースもある
チェックリストのうち、影響の大きい項目には当てはまらず、かつ次のような状況であれば、全面リニューアルではなく部分改修で十分なことがあります。
- サイト全体の構成や情報量には大きな不満がなく、特定のページ(採用・料金・空き状況など)だけが古い
- スマートフォン表示は問題ないが、写真や文章の一部を差し替えたい
- CMS(自分たちで更新できる仕組み)がすでに入っており、使い方が分からないだけ
部分改修であれば、全面リニューアルに比べて費用・期間ともに抑えやすく、社内の意思決定もスムーズに進みやすいという特徴があります。まずどのページに何を載せるべきかを整理したい場合は、介護施設のホームページの作り方で掲載すべき情報の一覧をまとめていますので、現状のサイトと見比べてみるとよいでしょう。
進め方の手順と社内で決めておくこと
リニューアル・改修のどちらを選ぶ場合でも、着手前に社内で決めておくと、後々の手戻りを減らせる項目があります。
- 現状の棚卸し:今のサイトのどのページに、どんな情報が載っているかを一覧にする
- 目的の明確化:入所・利用の問い合わせを増やしたいのか、採用を強化したいのか、優先順位をつける
- 予算の目安を決める:制作会社に依頼する場合、取材の有無やページ数によって初期費用の幅は大きく変わります。まずは自施設として出せる金額の目安を決めておくと、比較検討がしやすくなります
- 運用担当を決める:公開後、誰が・どのくらいの頻度で更新するのかを、着手前に決めておく
- 判断者を決める:デザインや文章の最終確認を誰が行うか、複数の目で見るのか一人で決めるのかを明確にする
このうち、意外と後回しにされがちなのが4番目の運用担当です。制作段階では業者に任せきりでも進みますが、公開後の更新は施設側の役割になることがほとんどです。着手前の段階で「誰が更新するか」まで決めておくことが、リニューアル後にサイトを活かせるかどうかの分かれ目になります。
制作会社の選び方については、医療・介護のホームページ業者の選び方で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
よくある失敗
私は作業療法士として20年以上、病院や介護の現場に立ってきました。その中で、ホームページをリニューアルした施設の話を伺う機会も少なくありませんが、共通してもったいないと感じる失敗がいくつかあります。
- 見た目だけ新しくして、中身は変わっていない:デザインを刷新しても、掲載している情報の内容や量が以前と同じままでは、比較検討している利用者家族や求職者に伝わる情報は増えません
- 公開して終わり、更新体制が決まっていない:リニューアル直後は綺麗でも、半年後には求人情報だけが古いままといった状態になりがちです
- 目的を決めずに依頼してしまう:採用強化なのか、入所・利用の問い合わせ増加なのかで、載せるべき情報の優先順位は変わります。目的があいまいなまま進めると、どっちつかずのサイトになりやすい傾向があります
- 社内の意思決定に時間がかかりすぎる:確認者が多すぎたり、決裁の流れが決まっていなかったりすると、制作が長期間止まってしまうことがあります
いずれも、進め方の手順で挙げた「目的」「運用担当」「判断者」を事前に決めておくことで、避けられる失敗です。
まとめ|まず現状を棚卸しすることから
介護施設のホームページをリニューアルすべきか、部分改修で足りるのかを判断するポイントを整理しました。
- 掲載情報の誤り・セキュリティ・更新のしづらさなど、影響の大きい項目に当てはまれば、全面リニューアルを検討する時期(あくまで目安)
- 特定ページだけが古い場合は、部分改修で足りることも多い
- 着手前に「目的」「予算感」「運用担当」「判断者」を決めておくことが、後の手戻りを防ぐ
- リニューアル後の失敗の多くは、事前の目的設定と運用体制の未整備が原因
自施設のホームページが今どちらに当てはまるのか、判断に迷う場合は、客観的な視点で一度整理してみることをおすすめします。
作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。
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