「ホームページはどのくらいの頻度で更新すればいいのか」というご相談を、医療機関の経営者や管理者の方からよくいただきます。結論から言うと、すべてのページを同じ頻度で更新する必要はありません。情報には「変更が出たらすぐ直すべきもの」と「半年に一度見直せば十分なもの」と「無理なく積み上げていくもの」があり、性質ごとに扱いを変えることが、医療機関のホームページを健全に保つ更新頻度の考え方だと感じています。この記事では、更新対象を3層に分けて優先順位を整理し、続けるための体制づくりまでご紹介します。

更新が止まっているホームページで起きていること

診療時間や休診日が変わったのにホームページが古いままだと、利用者はそれに気づかず来院し、結果として「電話で確認しないと不安」という状態を招きます。実際、担当医の出勤表が更新されていないために、来院当日に電話での問い合わせが増えてしまうケースは珍しくありません。

また求人ページの情報が数年前のままだと、求職者からは「今も活動している組織なのか」という印象を持たれやすくなります。ホームページの更新は、求人応募の意思決定にも影響する要素のひとつと考えられます。

検索エンジンの表示という観点でも、古い情報が残ったままのページが上位に出続けると、利用者の判断材料としてはむしろマイナスに働きかねません。更新頻度そのものが直接に検索順位を決めるわけではありませんが、情報が古いままだと利用者にとって頼りになる情報源とは言えなくなってしまいます。

すでに情報の古さが目立つホームページをお持ちの場合、リスクの全体像は病院のホームページが古いままのリスクでも整理していますので、あわせてご覧ください。

医療機関のホームページ更新は「頻度」より先に「性質」で分ける

「毎日ブログを書きましょう」といった一律の目標を立てても、多くの現場では長続きしません。むしろ大切なのは、更新対象を性質ごとに3つの層に分け、それぞれに無理のない頻度を割り当てることです。

1. 即時に直すべき情報

変更が発生したら、その日から数日以内に反映すべき情報です。

  • 診療時間・休診日・臨時休診のお知らせ
  • 担当医の出勤表
  • 料金や自費診療の金額
  • 電話番号・住所などの基本情報
  • 受け入れ可否や空き状況(訪問看護・デイサービス等)

これらは利用者の来院や問い合わせの判断に直結するため、放置する期間が長いほど電話対応の負担や機会損失につながりやすい情報です。まず「変更が起きたらすぐ直す」という運用を、この層だけでも整えることをおすすめします。

2. 定期的に見直す情報(3〜6ヶ月ごと)

急ぎではないものの、放置すると実態とのズレが大きくなる情報です。

  • 職員体制・人数
  • 設備やサービス内容の紹介
  • 施設内や職員の写真(改装・人員異動の反映)
  • 求人情報の内容と募集状況
  • 掲載表現が医療広告ガイドラインに沿っているかの点検

さまざまな施設に伺う機会が多かった頃、ケアマネジャーの方から「ホームページに載っている設備やスタッフ体制が、実際に伺った施設と違っていた」と聞かされたことが何度もありました。実態と表示のズレは、紹介や連携の場面で信頼を損ねる原因になりかねません。3〜6ヶ月に一度、棚卸しの機会を設けることをおすすめします。

掲載表現の点検にあたっては、医療広告ガイドラインとホームページの注意点も参考にしていただければと思います。

3. 積み上げていく情報(月1〜2回で十分)

お知らせや活動報告、コラム・ブログなど、少しずつ蓄積していく情報です。この層は無理に頻度を上げる必要はなく、月1〜2回程度でも十分に機能します。大切なのは頻度よりも、利用者や求職者にとって役立つ内容を選ぶことではないでしょうか。

頻度より先に「担当と手順」を決める

更新頻度を決める前に整理しておきたいのが、「誰が・どこを・どうやって直すのか」という担当と手順です。

  • ホームページの管理画面へのログイン情報の所在
  • 自分たちで直せる範囲と、制作会社への依頼が必要な範囲の切り分け
  • 変更が発生したときに誰が気づき、誰に伝えるか

この手順があいまいなままだと、担当者が変わるたびに「どこを直せばいいか分からない」という状態に戻ってしまいます。頻度の目標を決めるより先に、この土台を固めることを優先していただきたいと考えています。

更新が続かない事業所に共通する傾向

これまで多くの医療介護の現場を見てきたなかで、ホームページの更新が止まりがちな事業所には、いくつか共通する傾向があると感じています。

  1. 担当者が1人に集中している:その方が異動や退職をすると、更新自体が止まってしまいます。
  2. 更新のたびに制作会社への依頼と費用が発生する構造になっている:ちょっとした変更でも都度連絡が必要だと、後回しにされがちです。
  3. 何を書けばいいか決まっていない:更新するページと内容があらかじめ決まっていないため、着手のハードルが上がってしまいます。

これらは体制や仕組みの問題であり、担当者の意識だけでは解決しにくい部分です。前段でご紹介した「即時・定期・積み上げ」の3層と、自分たちで直せる範囲の整理は、この共通課題への対処にもつながると考えています。

まとめ|医療機関のホームページ更新頻度と優先順位

最後に、この記事の内容を3点にまとめます。

  • 更新対象は「即時に直すべき情報」「3〜6ヶ月ごとに見直す情報」「月1〜2回で積み上げる情報」の3層に分けて考えることが、医療機関のホームページ更新頻度を考えるうえでの土台になります。
  • 頻度の目標を立てる前に、担当・ログイン情報の所在・自分たちで直せる範囲を整理しておくことが、更新を続けやすくする鍵ではないでしょうか。
  • 年に一度は、以下のようなチェックリストで棚卸しの機会を設けることをおすすめします。

年1回の棚卸しチェックリスト

  • [ ] 診療時間・休診日・担当医の出勤表は現状と一致しているか
  • [ ] 料金・電話番号・住所に変更はないか
  • [ ] 職員体制・設備・サービス内容の記載は実態と合っているか
  • [ ] 掲載している写真は現在の施設・職員の様子を反映しているか
  • [ ] 求人情報は募集状況と合っているか
  • [ ] 掲載表現に誇大な言い回しが紛れ込んでいないか
  • [ ] 自分たちで直せる範囲と制作会社への依頼範囲を再確認できているか

まずはこのチェックリストを使って、現在のホームページの状態を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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