医療・介護のホームページを作った後、「このホームページは本当に役に立っているのだろうか」と感じたことはないでしょうか。公開して数ヶ月が経つと、アクセス解析の画面を開いても数字の見方が分からず、そのまま放置してしまう施設は少なくありません。この記事では、医療・介護のホームページで行うアクセス解析と効果測定について、専門用語をできるだけ噛み砕きながら、現実的な運用の形を整理します。

アクセス数より「行動につながった件数」を見る

ホームページのアクセス解析というと、まず「何人見に来たか」というアクセス数(訪問者数)に目が行きがちです。しかし、経営や採用の判断材料としては、アクセス数そのものよりも、そのうち何件が具体的な行動につながったかのほうが重要ではないでしょうか。

具体的には、次のような件数です。

  • 問い合わせフォームからの送信件数
  • 見学予約・体験予約の申し込み件数
  • 求人ページからの応募件数
  • 電話番号タップ(スマートフォンでの発信)の件数

アクセス数が多くても、これらの行動につながる件数が少なければ、ページの内容や導線に見直す余地があると考えられます。逆にアクセス数が少なくても、行動につながる件数が一定数あれば、ホームページとしての役割は果たしているといえるでしょう。まずは自施設にとって「何をもって成果とするか」を、この4つの中から1〜2個に絞って決めておくことをおすすめします。

GA4とSearch Consoleは役割が違う

医療・介護のホームページのアクセス解析でよく名前が挙がるのが、Googleアナリティクス(GA4)とGoogle Search Consoleです。どちらも無料で使えるGoogleの標準ツールですが、見ている範囲がまったく異なります。

  • Google Search Console:ホームページが「来る前」の情報を扱います。どんな検索語句で検索結果に表示されたか、何回クリックされたか、検索結果の何番目に出ていたかが分かります。
  • GA4(Googleアナリティクス):ホームページに「来た後」の情報を扱います。どのページがよく見られているか、何分くらい滞在しているか、問い合わせフォームまで到達した人がどれくらいいるかが分かります。

つまり「来る前」をSearch Consoleで、「来た後」をGA4で見るという役割分担です。どちらか一方だけでは全体像がつかめません。たとえば検索結果への表示回数は多いのにクリックされていない場合はSearch Console側の問題(タイトルや説明文の見直し)、クリックはされているのに問い合わせに至っていない場合はGA4側の問題(ページ内容や導線の見直し)という切り分けができます。検索での見つかりやすさそのものについては、クリニックSEO対策|地域名×診療科で見つかるにはでも触れていますので、あわせてご確認いただければと思います。

電話問い合わせは計測から漏れやすい

アクセス解析の数字だけを見ていると、見落としてしまいやすいのが電話での問い合わせです。GA4はホームページ上での操作を記録する仕組みなので、スマートフォンの電話番号タップを計測できるよう設定していない限り、固定電話からの発信や、いったんメモしてからかけ直した電話は数字に反映されません。

私自身、作業療法士として現場に立っていた頃、ケアマネジャーや患者さんのご家族から「ホームページを見て電話しました」と言われる場面を何度も経験しました。ところが後日、施設の管理者にアクセス解析の数字を見せても、その問い合わせは画面上のどこにも表れていない、ということがよくありました。ホームページ経由の反響は、解析ツールの数字だけでは実態より少なく見えてしまう傾向があるということです。

この漏れを補う現実的な方法は、受付や電話対応の場面で「どちらでお知りになりましたか」と一言添えて記録する運用を、解析ツールと並行して持っておくことです。ホームページ、紹介、看板、知人からの紹介など、選択肢を紙やスプレッドシートに簡単にまとめておくだけでも、解析ツールでは拾えない反響を把握する手がかりになります。問い合わせにつながる導線そのものの設計については、ホームページの問い合わせを増やす導線の作り方で詳しく整理しています。

自社スタッフのアクセスを除外する

意外と見落とされがちなのが、職員自身がホームページを見ているアクセスです。求人ページの更新確認、SNSでの共有前チェック、単純な確認作業などで、施設のスタッフがホームページを訪れる機会は思っている以上に多いものです。

こうした職員自身のアクセスを除外しないままアクセス解析を見ていると、実際の求職者や利用者・ご家族からのアクセスよりも数字が多く出てしまい、実態とずれた印象を持ってしまいます。GA4には、特定のIPアドレスやデバイスからのアクセスを除外する設定があります。施設のパソコンやWi-Fiから接続する際のIPアドレスを確認し、除外設定をしておくことで、数字の精度を上げることができます。設定自体は一度行えば継続して効きますので、アクセス解析を本格的に見始める前のタイミングで済ませておくとよいでしょう。

月1回・15分で見る運用に落とし込む

ここまで紹介した内容を毎日細かく確認する必要はありません。医療・介護の現場は日々の業務で手一杯なことが多く、アクセス解析に多くの時間を割くのは現実的ではないでしょう。

現実的な運用としては、月に1回、15分程度で次の3点を確認する形をおすすめします。

  1. 問い合わせ・予約・応募の件数が前月と比べてどう変化したか
  2. Search Consoleでの表示回数とクリック数に大きな変化がないか
  3. よく見られているページがホームページを作った狙いと合っているか

この3点を毎月同じタイミングで見る習慣をつけておくと、数字の変化に早めに気づきやすくなります。逆に、見る項目を増やしすぎると続かなくなりますので、最初は3点に絞って半年ほど続けてみるところから始めるのが現実的ではないでしょうか。

まとめ|医療・介護のホームページのアクセス解析と効果測定

  • アクセス数そのものより、問い合わせ・見学予約・求人応募といった行動につながった件数を見ることが、効果測定の軸になります。
  • GA4は「来た後」、Search Consoleは「来る前」を扱うツールで、役割が異なります。両方を組み合わせることで問題の切り分けがしやすくなります。
  • 電話問い合わせの計測漏れは受付での聞き取り運用で補い、自社スタッフのアクセス除外で数字の精度を上げ、月1回・15分程度の現実的な運用に落とし込むことをおすすめします。
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作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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