医療機関や介護施設のホームページを見ていて、外観や院内の写真が古かったり、どこも同じようなストック素材ばかりだったりすることが気になったことはないでしょうか。ホームページに載せる写真は、来院や見学、入職を検討している方が最初に触れる情報のひとつです。「撮り方が分からない」「カメラマンに頼む予算がない」という理由で、医療のホームページの写真をストック素材だけに頼っている施設も少なくありません。実はスマートフォン1台でも、いくつかのコツを押さえれば院内の雰囲気が伝わる写真は撮れます。この記事では、写真の撮り方の基本と、医療・介護ならではの撮影時の注意点を解説します。
医療・介護のホームページ写真、撮り方の基本
写真の撮り方以前に、まず押さえておきたいのは「何を伝えたい写真なのか」を撮る前に決めておくことです。受付の落ち着いた雰囲気を伝えたいのか、リハビリ室の広さを伝えたいのか、スタッフの人柄を伝えたいのかによって、構図もアングルも変わってきます。
目的が曖昧なまま撮った写真は、後で見返すと「何が写っているのか分かりにくい」ものになりがちです。ホームページの各ページに何枚ずつ、どんな写真が必要かをリストにしてから撮影に臨むと、撮り直しの手間も減らせるのではないでしょうか。
スマートフォンでも実践できる撮影の4つの基本
専用のカメラや照明機材がなくても、次の4点を意識するだけで写真の印象は大きく変わります。
- 明るさを整える:院内の照明はすべて点灯し、可能であればカーテンを開けて自然光も取り入れます。窓を背にした逆光の構図は避け、光源が正面か斜め前に来る位置から撮影します
- 水平垂直を意識する:スマートフォンのカメラ設定でグリッド表示をオンにし、床や壁のラインを格子線に沿わせます。わずかな傾きでも写真全体が不安定な印象になります
- 撮影位置を工夫して広く見せる:部屋の隅から、やや低めの位置で撮ると奥行きが出て、実際より広く感じられる写真になります。真ん中に立って撮ると手前が余りやすく、逆に狭く見えてしまいます
- 片付けてから撮る:延長コードや配線、私物、期限切れの掲示物が写り込んでいないかを確認します。ガラスや鏡があるとカメラを構える自分やスタッフが映り込むこともあるため、角度を変えて事前にチェックしておくと安心です
人物ありの写真、人物なしの写真の使い分け
スタッフが写っている写真と、設備や空間だけの写真は、それぞれ役割が異なります。採用ページや「スタッフ紹介」には人物ありの写真が向いており、表情や雰囲気が伝わることで応募を検討する方の安心材料になり得ます。一方、施設全体の様子やアクセス案内には、人物なしで空間そのものが分かる写真の方が使いやすい場面が多いです。
両方をバランスよく用意しておくと、ページごとに適した写真を選べます。すべて人物ありにすると被写体の負担が大きくなりますし、すべて人物なしだと施設の温かさが伝わりにくくなるため、ページの目的に応じて使い分けることをおすすめします。
患者・利用者のプライバシーに配慮した撮影のルール
医療・介護施設ならではの注意点として、撮影前に必ず確認しておきたいのがプライバシーへの配慮です。
- 患者・利用者が写り込まない時間帯に撮る:診療時間外や利用者の少ない時間帯を選び、撮影中に人が通る場合は一声かけて避けてもらいます
- カルテやモニターの画面が写らないよう確認する:電子カルテの画面、レセコンのディスプレイ、検査機器の表示などは、写り込んでいないか撮影後に必ず拡大して確認します
- 氏名の書かれたホワイトボードや掲示物に注意する:ケア記録やスケジュールボードに利用者の氏名が書かれていることがあります。撮影範囲に入っていないか、事前に一度見渡しておく必要があります
- 処方薬や書類が写らないようにする:薬品棚や診療録が背景に映り込んでいないかも確認したい点です
- スタッフの顔出しは同意を記録に残す形で得る:口頭の了承だけでなく、掲載目的と使用範囲を伝えたうえで同意を得たことが分かる形にしておくと、後々のトラブルを避けやすくなります
現場にいたころ、リハビリ室の様子を撮影しようとして、背景に別の利用者の記録用ホワイトボードが写り込みそうになったことが何度かありました。撮る内容そのものよりも、撮影範囲の外側に何が写り込んでいるかを確認する習慣の方が、実際の現場では重要だと感じています。
ストック素材だけに頼らない理由
ホームページ制作の予算や時間が限られていると、無料・有料のストック素材だけで構成してしまうケースは珍しくありません。ストック素材は手軽で見た目も整っていますが、どの施設のホームページを見ても同じような写真が使われていると、実際の施設の雰囲気は伝わりません。見学や来院を検討している方は、外観や内部の実際の様子を確認したいと考えていることが多く、素材写真だけでは判断材料として物足りなさが残るのではないでしょうか。
すべてを実写にする必要はありませんが、受付・待合室・リハビリ室・スタッフの様子など、施設の特徴が出やすい場所だけでも実際の写真に置き換えることをおすすめします。ホームページ全体の見え方についてはデイサービスのおしゃれなホームページ事例|見た目より大事な要素でも触れていますので、あわせてご覧いただければと思います。また、日常的に撮影した写真は採用活動でも活用の幅があり、訪問看護のインスタグラム活用|採用に効く使い方で紹介しているように、SNSでの発信にもつなげやすくなります。
まとめ|医療のホームページ写真の撮り方
- 撮影前に「何を伝えたい写真なのか」を決めておくと、明るさ・水平垂直・撮影位置・片付けの4点を意識するだけでスマートフォンでも印象の良い写真が撮れます
- 人物ありの写真は採用ページやスタッフ紹介に、人物なしの写真は施設全体の案内にと、ページの目的に応じて使い分けることが大切です
- 患者・利用者が写り込まない時間帯を選び、カルテやモニター画面、氏名入りの掲示物が写っていないかを確認するなど、医療・介護ならではのプライバシー配慮を撮影の手順に組み込んでおく必要があります
作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。
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