「求人媒体に出しても、クリニックの看護師採用はなかなか進まない」という相談を、院長や事務長の方からよくいただきます。求人票の内容を見直す前に、実は見落とされがちな場所があります。それが、クリニック自身のホームページです。この記事では、クリニックの看護師採用においてホームページが果たす役割と、載せておきたい情報について整理します。

求人媒体だけでは、クリニックの看護師採用情報は伝わりきらない

求人媒体は、給与や勤務時間、休日といった条件面を比較検討する場としては便利です。ただし、クリニックという職場の実態まで伝えるには限界があります。特にクリニックは病院に比べて職員数が少なく、院長や既存スタッフとの距離が近い職場です。この「距離の近さ」が働きやすさにも働きにくさにもつながるため、求職者にとっては条件以上に気になるポイントになりやすいところです。

求人票の文字数には限りがあり、診療科目や業務範囲、院長の考え方といった情報まで書き込むことは現実的ではありません。結果として、求職者は条件だけを見て応募するかどうかを判断せざるを得ない状態になり、応募をためらう一因になっている可能性があります。

応募前に、求職者の多くがクリニックのホームページを確認している

応募前にクリニックのホームページを確認する求職者は少なくありません。求人媒体で気になる求人を見つけた場合も、応募ボタンを押す前にクリニック名で検索し、ホームページの内容を確認したうえで応募を判断する方が多く見られます。ここで情報が薄い、あるいは何年も更新されていないホームページが出てくると、「この職場は今も同じ体制で診療しているのだろうか」という不安につながりかねません。

私は作業療法士として医療・介護の現場を歩いてきましたが、看護師の知人から転職先を選ぶ際の話を聞くと、求人票の条件と同じくらい「ホームページを見て、どんな患者層でどんな業務を任されるのかが具体的にイメージできたかどうか」を重視しているという声をよく耳にします。クリニックは配属先による差が大きい職場ではないぶん、その1院の情報がそのまま働くイメージに直結しやすいという特徴があります。

クリニックの看護師採用ページに載せておきたい情報

クリニックの看護師採用ページには、次のような情報を載せておくことをおすすめします。

  • 業務範囲:外来対応が中心か、処置や検査の介助はどこまで任されるか、在宅診療への同行はあるか
  • 1日の流れ:朝の準備から診療時間、午後の処置や記録の時間配分
  • 少人数体制であることの説明:何人体制で、どのような役割分担になっているか
  • パート・時短勤務の受け入れ状況:採用ページや求人票など募集の段階では職業安定法に基づく明示が必要であり、契約を結ぶ段階では労働条件通知書等で改めて明示します
  • ブランクがある方への案内:研修やOJTの有無、相談できる相手がいるかどうか
  • 院長やスタッフの人柄が伝わる情報:一方的な自己紹介ではなく、実際のやり取りが想像できる内容

これらは、既存記事の医療介護の採用ページの書き方で紹介している7要素の型とも重なりますが、クリニックの場合は特に「少人数体制の中で、自分がどこまでの業務を任されるのか」を具体的に書くことが、他院との違いを伝えるうえで重要な要素になります。

診療案内ページも、看護師の応募者に見られている

採用ページを整えても、見落とされやすいのが診療案内ページです。求職者は採用ページだけでなく、診療科目や患者層、診療方針のページも合わせて確認しています。どのような患者さんが多く来院するのか、急性期対応が中心か生活習慣病の継続管理が中心かによって、看護師に求められる業務は大きく変わるためです。

診療案内ページの情報が古かったり、院長の診療方針が伝わらなかったりすると、採用ページでどれだけ丁寧に書いても、クリニック全体の印象がちぐはぐに見えてしまうことがあります。採用ページと診療案内ページは、別々のものではなく、求職者が同じ目線でクリニックを理解するための一続きの情報として整えておくことをおすすめします。ホームページ全体の構成については、クリニックのホームページの作り方もあわせてご確認ください。

まとめ|求人票とホームページは、それぞれ役割が異なります

クリニックの看護師採用において、求人媒体とホームページはどちらも欠かせない情報源ですが、担っている役割は異なります。

  • 求人媒体は条件を比較する場、ホームページは働くイメージを確認する場
  • クリニックは少人数体制ゆえに、業務範囲や院長との距離感が求職者の関心事になりやすい
  • 業務範囲・1日の流れ・体制・ブランクへの案内などを、具体的な言葉で採用ページに載せる
  • 診療案内ページも応募前に見られているため、採用ページと合わせて情報を整えておく

条件の見直し以前に、ホームページの情報が古いままになっているクリニックは少なくありません。

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作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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