クリニックのホームページは、一度作って公開したら終わりというものではありません。診療内容やスタッフ体制は年月とともに変わりますし、患者さんがスマートフォンでサイトを見る割合も年々高まっています。とはいえ「リニューアルをいつ検討すればよいのか」というタイミングの判断は、意外と難しいものではないでしょうか。早すぎれば費用がかさみますし、遅すぎれば患者さんに古い印象を与えてしまいます。この記事では、クリニックのホームページのリニューアルを検討すべきタイミングを、具体的な兆候として整理してご紹介します。

リニューアルを検討すべき5つのサイン

ホームページのリニューアルは「制作から何年経ったか」だけで判断するものではありません。以下のような具体的な事象が見られたときが、検討を始める目安になると考えられます。

1. スマートフォンでの表示が崩れる

来院する患者さんの多くは、パソコンではなくスマートフォンでクリニックのホームページを見ています。文字が小さくて拡大しないと読めない、ボタンが押しにくい、レイアウトが崩れて情報が読み取りにくいといった状態は、そのまま離脱につながりかねません。実際にご自身のスマートフォンで表示を確認してみて、違和感があるようであれば見直しのタイミングといえるでしょう。

2. 診療時間や担当医の情報が実態とずれている

診療時間の変更、休診日の追加、担当医の交代などがあったにもかかわらず、ホームページの情報が古いままというケースは少なくありません。私自身、作業療法士として医療・介護の現場を歩いてきたなかで、「ホームページには載っていない情報を電話で確認する」という患者さんやご家族の声を何度も耳にしてきました。ホームページの記載と実際の診療内容にずれがあると、患者さんからの問い合わせ対応の負担が増えている、という状況につながっている可能性があります。

3. 導入したい仕組みが今のサイトに載せられない

Web予約やオンライン診療、キャッシュレス決済など、新しく導入したい仕組みがあっても、今のホームページの構造上うまく掲載できない、というご相談を受けることがあります。既存のサイトに無理に情報を追加し続けると、かえって見づらくなってしまうことも考えられます。新しい機能を軸にサイト構成そのものを見直すタイミングかもしれません。

4. 医療広告ガイドラインの観点で見直しが必要な表現が残っている

患者さんの体験談やビフォーアフター写真など、開設当初は問題にならなかった表現が、現在の医療広告ガイドラインに照らすと見直しが必要になっているケースもあります。この点は法令解釈にかかわるため、詳しくは医療広告ガイドラインとホームページの注意点もあわせてご確認いただければと思います。ガイドラインへの適合を意識した内容へ更新すること自体が、リニューアルのきっかけになることもあります。

5. 開院時に作ったまま5年以上更新していない

開院時に制作会社へ依頼したきり、5年以上ほとんど手を入れていないというホームページも多く見られます。制作会社と連絡が取れなくなっている、担当者が変わって対応してもらえないといった声も聞かれます。ちょっとした文言修正すら自分ではできない状態が続いているのであれば、更新しやすい仕組みへの入れ替えを検討する時期ではないでしょうか。

リニューアルしない方がよい場合もある

一方で、今すぐのリニューアルが必ずしも得策とはいえない場合もあります。

  • 開院直後である:開院から間もない時期は、実際の診療体制や患者さんの反応を見ながら、ホームページに載せる情報を固めていく段階です。ここで大がかりなリニューアルに着手すると、方向性が定まらないまま進めることになりがちです。
  • 近い将来に移転や標榜科の追加・変更を予定している:住所や診療科目が変わる予定がある場合、先にリニューアルしてしまうと、変更のたびに再度手を入れる二度手間になりかねません。移転や体制変更のめどが立ってから着手するほうが、結果的に無駄が少なくなると考えられます。
  • 今のサイトの課題がスマホ対応など部分的な改善で解決できる:サイト全体を作り直さなくても、スマートフォン表示の改善など部分的な対応で当面の課題が解消できる場合もあります。クリニックのホームページのスマホ対応で対応範囲を確認したうえで、全面リニューアルが本当に必要かを見極めることをおすすめします。

タイミングを見極めるための考え方

ここまでご紹介した兆候は、どれか1つに当てはまったからといって、すぐに全面リニューアルが必要というわけではありません。複数の兆候が重なっている、あるいは日々の運用のなかで負担を感じる場面が増えているというときが、本格的な検討のタイミングといえるのではないでしょうか。

また、リニューアルには一定の準備期間と費用がかかります。今すぐ着手するかどうかは別として、「今の状態を放置した場合にどのような影響が考えられるか」を一度整理しておくことが、判断の助けになると感じています。院内のスタッフや家族など、患者さん以外の視点でホームページを見てもらい、率直な感想を聞いてみるのも一つの方法です。

まとめ|クリニックのホームページリニューアルのタイミング

  • スマホ表示の崩れ、情報の実態とのずれ、新しい仕組みの導入ニーズ、医療広告ガイドラインへの適合、5年以上の未更新は、リニューアル検討のサインになると考えられます。
  • 開院直後や移転・標榜科変更の予定がある場合は、あえて時期をずらしたほうが二度手間を避けられることもあります。
  • まずは今のホームページの課題が全面リニューアルでなければ解決できないものかどうかを見極めることが、無理のない判断につながるのではないでしょうか。
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作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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