「医療機関の採用サイト制作にはどのくらいの費用がかかるのか」。人材不足が続くなか、既存のコーポレートサイトとは別に、採用に特化したページやサイトを新しく作りたいと考える病院・クリニック・介護事業所の経営者や採用担当の方から、こうしたご相談をいただく機会が増えています。

採用サイトの制作費用は、一般的なコーポレートサイトの相場とは少し違う要素で金額が決まる部分があります。この記事では、医療機関の採用サイト制作にかかる費用の内訳と一般的な相場の目安を、撮影費・取材費・運用費用・応募フォームの仕様といった採用サイトならではの項目に絞って整理します。

医療機関の採用サイト制作でかかる費用の内訳

医療機関の採用サイト制作でかかる費用は、一般的なコーポレートサイトと同じく初期費用と月額費用の枠組みに、採用サイト特有の項目が上乗せされる形になります。主な内訳は次のとおりです。

  • 企画・原稿作成費:募集職種ごとの訴求ポイントを整理し、原稿に落とし込む工程
  • 撮影費:院内・施設内の様子やスタッフの表情が伝わる写真・動画の撮影
  • 取材費:スタッフインタビューを収録するための取材・構成の工程
  • システム構築費:応募フォームやページデザインの実装
  • 保守・運用費:公開後の更新代行やサーバー費用

このうち撮影費・取材費・運用費用の3つは、コーポレートサイトの制作費用にはあまり含まれない、採用サイトならではの項目だと感じています。コーポレートサイト全体の費用構成については、クリニックのホームページ制作費用の相場|価格差が生まれる理由でも整理していますので、あわせてご覧いただくと違いが分かりやすくなると思います。

撮影費とスタッフインタビューの取材費が費用差を生む

採用サイトの見積もりを比較したとき、金額差の大きな要因になりやすいのが撮影費と取材費です。求職者は、給与や勤務条件だけでなく「この職場で働いている人はどんな表情をしているか」を採用サイトから読み取ろうとします。そのため、既存のパンフレット写真を流用するのか、専門のカメラマンを手配して撮り下ろすのかで、費用にはそれなりの幅が出ます。

スタッフインタビューも同様です。1名の簡単なコメント掲載であれば取材の工数は小さく済みますが、複数名を対象に取材・撮影・原稿構成までを一式で依頼する場合は、その分だけ費用が積み上がります。

私自身、作業療法士として医療・介護の現場を20年以上歩いてきたなかで、採用サイトを見直したいと相談してくる管理者の方の多くが、「求人票の文章は考えているけれど、写真は開設当初のものを使い回している」という状況にあるのを見てきました。写真の古さは、求職者にとって職場の実態が伝わりにくい要因になりやすいのではないかと感じています。

募集要項の更新・運用にかかる費用も忘れずに

採用サイトの見積もりでは、初期費用にばかり目が向きがちですが、公開後の運用費用も忘れずに確認しておきたい項目です。募集要項は、募集人数・給与・待遇の変更、募集の一時停止・再開など、コーポレートサイトの他ページに比べて更新頻度が高くなりやすい部分です。

更新のたびに制作会社へ都度依頼する契約なのか、月額の保守費用の範囲内で対応してもらえるのか、あるいは自院・自事業所側で簡単に更新できる仕組みになっているのかによって、運用開始後のコストと手間は大きく変わります。見積もりを受け取る段階で「更新は誰が、どの範囲まで、いくらで対応するのか」を確認しておくと、公開後に想定外の追加費用が発生しにくくなります。

採用ページに掲載すべき内容そのものについては、採用ページの書き方|医療・介護施設向けで詳しく解説していますので、費用と合わせて確認していただくと検討が進めやすくなると思います。

応募フォーム・ATS連携の有無で費用が変わる

採用サイトの機能面で費用に影響しやすいのが、応募フォームの仕様です。氏名・連絡先・希望連絡時間帯程度のシンプルな入力フォームであれば、開発の手間は比較的小さく済みます。

一方で、応募者管理システム(ATS)と連携させ、応募データを自動で採用管理ツールに取り込む仕組みまで求める場合は、システム連携の設計・実装が必要になり、その分の費用が加わります。求人媒体からの流入と自院サイトからの応募を一元管理したいというニーズがある場合は、この連携の要不要を早い段階で見積もりに反映しておくことが望ましいでしょう。

なお、こうした仕組みはあくまでWeb上での情報整理・応募受付の効率化を目的としたものであり、採用そのものを代行したり、人材を紹介したりするサービスとは性質が異なります。

採用サイトの相場を見積もりで確認するときのポイント

複数の見積もりを比較する際は、総額の高低だけでなく、次のような点を確認しておくと判断しやすくなります。

  • 撮影・取材の実施範囲:カット数や取材人数が明記されているか、既存写真の流用が前提になっていないか
  • 更新・運用の対応範囲:募集要項の更新が保守費用に含まれるのか、都度費用が発生するのか
  • 応募フォームの仕様:シンプルな問い合わせ型か、ATS連携まで含むのか
  • 公開までの制作期間:撮影・取材のスケジュールを含めた実現可能な期間になっているか

同じ「採用サイト制作」という言葉でも、見積もりに含まれる範囲は依頼先によって異なります。金額だけを比較するのではなく、その費用でどこまでの内容が実現できるのかを具体的に確認しておくことが、公開後の後悔を減らすことにつながるのではないでしょうか。

まとめ|医療機関の採用サイト制作費用は運用まで含めて考える

医療機関の採用サイト制作にかかる費用について、内訳・撮影費と取材費の考え方・運用費用・応募フォームの仕様という観点から整理しました。

  • 採用サイトの費用は、コーポレートサイトの初期費用・月額費用に、撮影費・取材費という採用サイト特有の項目が加わる構成になります
  • 募集要項の更新頻度は高くなりやすいため、公開後の運用費用と対応範囲を事前に確認しておく必要があります
  • 応募フォームの仕様やATS連携の有無によっても、費用は変わってきます

見積もりを比較する際は、金額の高低だけでなく、撮影・取材・運用のどこまでが範囲に含まれているのかを具体的に確認しながら、自院・自事業所に見合った依頼先を選んでいただければと思います。

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作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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