「訪問看護の集客方法として、何から手をつければよいのか分からない」。管理者さまからよくいただくご相談です。

訪問看護ステーションの利用者を増やす方法というと、営業活動やチラシ配布を思い浮かべる方も多いのですが、実際に依頼が生まれる経路を見ると、飛び込み営業とは少し違う打ち手が見えてきます。この記事では、訪問看護特有の依頼経路の実態を踏まえたうえで、集客方法を順を追って解説します。

訪問看護の集客方法は「依頼経路」を知ることから始まる

デイサービスなど他の介護サービスと訪問看護が大きく異なるのは、依頼が発生するタイミングと窓口です。訪問看護の依頼の多くは、ケアマネジャーのケアプラン作成と、病院の退院支援部門(地域連携室・医療連携室)からの紹介という、2つの窓口を通って生まれます。

つまり訪問看護の集客方法とは、一般消費者に向けて広く認知を広げることではなく、この2つの窓口の担当者に「対応可能かどうか」を正確に判断してもらうための情報を届けることに近い活動だといえます。「営業=飛び込みで数を打つこと」ではなく、依頼元が判断するための材料を渡す情報提供だと捉え直すところから、訪問看護の集客は始まります。

依頼の中心はケアマネジャーと病院の連携室

まず、依頼が生まれる場面を具体的に見てみます。

依頼元 依頼が生まれる場面
ケアマネジャー 在宅の利用者にケアプランを作成する際、訪問看護の追加・変更を検討するとき
病院の退院支援部門(連携室) 退院時に在宅療養へ移行する患者の受け入れ先を探すとき
医療機関の主治医・地域医療連携室 医療処置が必要な患者の在宅移行を検討するとき

いずれの場面でも、依頼元の担当者はまず「対応してもらえそうな訪問看護ステーションはどこか」を頭の中でリストアップします。このとき名前が挙がるかどうかが、依頼の入り口です。私は作業療法士として20年以上、訪問リハビリや病院の退院支援に関わる現場を見てきましたが、連携室の担当者が受け入れ先を探すとき、真っ先に思い出すのは「以前スムーズにやり取りできたステーション」であることがほとんどでした。特色や対応可否が記憶に残っていなければ、候補にすら挙がりません。

ケアマネ・連携室への情報提供を丁寧に行う

依頼元に名前を思い出してもらうために欠かせないのが、日頃からの情報提供です。特に次の3点は具体的に伝えておく必要があります。

  • 対応可否:精神科訪問看護・小児訪問看護・ターミナルケアなど、対応できる領域とできない領域
  • 空き状況:現在の受け入れ余力の目安(曜日別・エリア別など分かる範囲で)
  • 強み領域:リハビリ職の在籍状況、夜間対応の可否、医療処置への対応実績

これらをパンフレットや訪問時の説明で繰り返し伝えることで、「この患者さんなら、あのステーションに聞いてみよう」という判断材料になります。逆に、対応可否があいまいなままだと、依頼元は問い合わせを一件飛ばして、情報がはっきりしている別のステーションに先に連絡する可能性があります。定期的な訪問だけでなく、FAXやメールなど形に残る形での情報提供を組み合わせておくと、担当者が変わったときにも情報が引き継がれやすくなります。

依頼前に確認されるWeb情報を整える

ケアマネジャーや連携室の担当者は、候補が複数あるとき、電話をかける前にステーションのホームページを確認することが増えています。ここで情報が古い、あるいは知りたいことが載っていないと、比較検討の段階で候補から外れてしまう可能性があります。

最低限整えておきたい項目は次のとおりです。

  • 24時間対応の可否と連絡体制
  • 対応エリア(訪問可能な地域の範囲)
  • 対応可能な医療処置・専門領域(精神科・小児・ターミナルケアなど)
  • スタッフ体制(看護師・リハビリ職の人数や在籍状況)
  • 問い合わせ先(電話番号・FAX番号を分かりやすく)

ホームページに何を載せるべきかという基本的な考え方は、訪問看護のホームページの作り方でも詳しく解説しています。あわせてご参照いただくと、情報提供の土台をより具体的に整えやすくなります。

実績と信頼の積み重ねが次の依頼につながる

一度依頼を受けたあとの対応も、次の集客につながる重要な工程です。特に次の2点は、依頼元からの評価に直結します。

  • 丁寧な報告書:利用者の状態変化が伝わる報告書は、ケアマネジャーの信頼を積み重ねます
  • 迅速な受け入れ返答:問い合わせから受け入れ可否の返答までのスピードは、次回以降も声がかかるかどうかを左右する可能性があります

受け入れ後の対応が丁寧であれば、「あそこは対応が早くて安心できる」という評価が、担当者個人の記憶だけでなく、事業所内でも共有されやすくなります。地域の連携会議や勉強会に顔を出し、顔の見える関係を作っておくことも、こうした評価を後押しする材料になります。

まとめ|訪問看護の集客は情報提供の再定義から

訪問看護の集客方法について、依頼経路の実態を踏まえながら見てきました。

  • 依頼の中心はケアマネジャーと病院の退院支援部門(連携室)であり、一般消費者向け広告とは経路が異なる
  • 対応可否・空き状況・強み領域を、形に残る形で継続的に情報提供することが土台になる
  • 依頼前に確認されるホームページの整備(24時間対応・対応エリアの明記など)が候補から外れないために重要
  • 丁寧な報告書と迅速な受け入れ返答の積み重ねが、次の依頼につながる可能性がある

「営業=飛び込み」ではなく「判断材料を渡す情報提供」だと捉え直すことが、訪問看護の集客方法を見直す第一歩になります。自施設の情報提供やホームページのどこに改善余地があるのか、内部だけで気づくのは難しいものです。

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作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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