「〇〇市 内科」のように地域名と診療科を組み合わせて検索すると、検索結果の上部に地図と数件の医院がまとまって表示されることがあります。この枠に自院の情報を正しく表示させ、選ばれやすくするための取り組みが、クリニックのMEO対策です。

「SEO対策ならホームページ会社に頼んでいるけれど、地図に表示される部分は何もしていない」という院長先生や事務長さまの声を、これまで何度もお聞きしてきました。地図枠は公式サイトとは別の仕組みで動いているため、サイトのSEO対策だけでは十分にカバーできません。

この記事では、クリニックのMEO対策の基本的な考え方から、具体的に整えておきたい登録項目、医療広告ガイドライン上の注意点まで、医療介護の現場を20年以上歩いてきた作業療法士の視点で解説します。

MEO対策とは|地図とともに表示される枠のこと

MEOは「マップエンジン最適化」の略で、Googleマップおよび検索結果の地図枠での見え方を整える取り組みを指します。通常のSEO対策が公式サイトのページ順位を対象にするのに対し、MEO対策はGoogleビジネスプロフィールという無料の登録情報がもとになっている点が大きく異なります。

「〇〇市 内科」のように検索したときに、地図と一緒に3件ほどの医院名が並ぶ枠を見たことがある方は多いのではないでしょうか。あの枠に表示される情報は、公式サイトの内容ではなく、Googleビジネスプロフィールに登録された名称・診療時間・写真・口コミなどをもとに組み立てられています。つまり、公式サイトをどれだけ整えても、この登録情報が古かったり空欄だらけだったりすると、地図枠では選ばれにくくなってしまう可能性があります。

患者さまが地図で見ているのは「今日やっているか」

ここで意識しておきたいのが、患者さまが地図検索の画面で何を確認しているか、という視点です。

作業療法士として20年以上、医療介護の現場に関わってきましたが、体調が優れないときや外出先で急に受診先を探す患者さま・ご家族の様子は、数えきれないほど見てきました。そうした場面で真っ先に確認されているのは、診療理念やスタッフの想いといった情報ではなく、次のような「今すぐ知りたいこと」です。

  • 今日、この時間はやっているか
  • 何時まで受け付けているか
  • 車で行けるか、駐車場はどこから入るか
  • 電話番号はどこに書いてあるか

地図枠は、患者さまが受診先を決める最後の一押しになりやすい場所です。だからこそ、丁寧な言葉で書かれた診療案内よりも、正確でシンプルな基本情報が求められていると考えられます。

クリニックのMEO対策で整える登録項目

患者さまが「今すぐ知りたいこと」に応えるために、クリニックのMEO対策としてまず整えておきたい項目を整理します。

項目 ポイント
名称 正式な医院名を、看板や公式サイトの表記と一致させる
カテゴリ 主たる診療科(内科・小児科など)を実態に合わせて設定する
住所・電話番号 公式サイトや紙媒体の表記と完全に一致させる
診療時間 曜日ごとの違い・休診日を正確に登録する
臨時休診 学会出席や急な休診が決まったら、都度反映する
写真 外観・受付・待合室・駐車場入口など、来院前に確認したい風景
Web予約リンク 予約システムへ直接つながるリンクを設定する
よくある質問 「駐車場はありますか」など想定される質問に事前に回答しておく

なかでも見落とされやすいのが臨時休診の反映です。登録上は「診療中」となっているのに実際は休診だった、という状態が続くと、来院した患者さまを困らせるだけでなく、低い評価につながる可能性もあります。

名称欄へのキーワード詰め込みは避ける

整備を進めるなかで、「名称の欄に地域名や診療科名を詰め込めば、検索に強くなるのでは」と考えたくなるかもしれません。しかし、Googleビジネスプロフィールでは、正式名称以外の情報を名称欄に加えることをポリシー違反としています。たとえば「〇〇内科クリニック|△△市 内科 小児科」のような登録は、規約に反すると判断される可能性があるため避けてください。名称はあくまで正式名称のみとし、診療科や地域の情報はカテゴリ欄や説明文で伝える、という整理をおすすめします。

写真・説明文と医療広告ガイドラインへの配慮

MEO対策として写真や説明文を充実させることは有効ですが、医療機関である以上、掲載する内容には注意が必要です。

医療広告ガイドラインでは、患者さまの体験談や治療効果を示すような表現は、原則として広告に使えないとされています。これはホームページだけでなく、Googleビジネスプロフィールの写真キャプションや説明文にもあてはまると考えられます。次のような点を意識しておくとよいでしょう。

  • 「よく効く」「必ず改善する」といった治療効果を示す表現は使わない
  • 「患者さまの声」のような体験談を、写真やコメントとして掲載しない
  • 「地域No.1」「〇〇市で唯一」といった比較優良表現は避ける
  • 写真は外観・院内設備・スタッフの様子など、事実の範囲にとどめる

説明文は、診療科目や対応可能な症状、駐車場の有無といった客観的な情報を中心に、簡潔にまとめることをおすすめします。

口コミへの対応は別記事で

Googleビジネスプロフィールには口コミ機能もあり、来院を検討する患者さまが参考にする材料の一つになっています。ただし、口コミへの返信には個人情報や医療広告ガイドラインに関わる独自の注意点があり、この記事だけでは触れきれません。口コミの扱い方については、介護施設のGoogleビジネスプロフィール活用ガイドで解説している考え方が、クリニックにも通じる部分がありますので、あわせてご確認ください。

また、地図枠だけでなく通常の検索結果でも見つけてもらうためには、公式サイト側の整備も欠かせません。地域名×診療科での検索対策については、クリニックSEO対策|地域名×診療科で見つかるにはで詳しく解説しています。

まとめ|今日の情報が正確かどうかを確認することから

クリニックのMEO対策について、地図枠の仕組みから具体的な登録項目、医療広告ガイドライン上の注意点まで見てきました。

  • MEO対策とは、Googleビジネスプロフィールをもとに地図枠での見え方を整える取り組み
  • 患者さまが地図で確認しているのは、診療理念より「今日やっているか」「何時までか」「駐車場はどこか」といった実用的な情報
  • 名称・診療時間・臨時休診・写真・Web予約リンクを正確に整え、名称欄へのキーワード詰め込みは避ける
  • 写真・説明文には、体験談や治療効果を示す表現を使わないよう注意する

まずは、ご自身のスマートフォンで「地域名 診療科」と検索し、自院がどう表示されているかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。実際の見え方を知ることが、優先順位を決める出発点になります。

まずは、無料のWeb診断から。

作業療法士として20年以上、医療介護の現場を歩いた専門家が、貴施設のホームページを拝見し、改善ポイントを3つに絞ってお伝えします。契約義務はありません。

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佐伯 昭宏
作業療法士 / BIND THREE 代表

作業療法士として20年以上、病院・介護施設の現場に携わる。現場経験とWeb制作の両面から、医療・介護施設の「伝わるWeb」づくりを支援。採用代行・人材紹介ではなく、Web上の情報整理・改善に特化。

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